2011年4月12日火曜日

2011年度「前衛と伝統I・II」

▼2011年度 「前衛と伝統I・II」

▼コーディネーター
巽 孝之(教授・米文学)
宇沢美子(教授・米文学)
岡原正幸(教授・社会学)
大串尚代(准教授・米文学)
奈良雅俊(准教授・倫理学)

▼講義要綱
かつてモダニズム詩人T・S・エリオットは詩論「伝統と個人の才能」(1919年)のなかで、それまで伝統と思われていた概念と個人の才能と思われていた概念を徹底的に問い直すことで、構造主義以後へ至る20世紀の前衛的芸術理論全般をあらかじめ輪郭づけた。そこでは、何よりも伝統の概念を刷新し、ロマン派的な天才信仰を転覆することで芸術の前衛を成立させるという逆説的な戦略が画策されていたが、それから一世紀近くを経てポストモダニズムをくぐりぬけた今日では、すでに前衛そのものが立派な伝統と化してしまった。21世紀の文化を考えるヒントは、まさにこの一点に潜むだろう。
以上の問題をさらに探究するのに絶好の講師陣を、コーディネータ一同は今日、文学や文化の諸領域で活躍する面々から選び出し、いま前衛と伝統を最も鋭利に再検討する手がかりを模索するとともに、広く受講者全般が学問研究を展開するさいに最も刺激的なディスカッションを行いたいと計画している。

▼「前衛と伝統I」講義日程 *敬称略
04/19 コーディネーター全員によるガイダンス

04/26 巽孝之(コーディネーター・英米文学)
   「モダニズム事始」

05/10 James Dorsey(ダートマス大学准教授・日本文学)
   「法隆寺を駐車場にでもしろ!坂口安吾と太平洋戦争下の伝統 前衛 主体性」参考文献

05/17 渡部周子(日本文学、少女文化研究)
   「つくられた「少女」」参考文献 講義写真

05/24 池谷のぞみ(慶應義塾大学文学部教授・図書館情報学)
   「行為を内側から理解すること:エスノメソドロジーというアプローチ」参考文献

05/31 休講

06/07 清水義央(ロック・ギタリスト、KENSOリーダー)
   「異次元への扉 プログレッシブ・ロック」参考文献
   ※清水義央先生のご講義は、南校舎ホールで行われます。
   ※ご講義後に清水先生にご質問された方は、清水先生のブログに回答が掲載されておりますので、こちらからご覧ください。

06/14 大出敦(慶応義塾大学法学部准教授・仏文学)
   「フランス詩と俳句―ポール・クローデルの場合」参考文献

06/21 今村純子(フランス文学者、映画研究家)
   「イメージのゆくえ―シモーヌ・ヴェイユにみる前衛と伝統」参考文献 講義写真

06/28 原田隆史(同志社大学、慶應義塾大学文学部非常勤講師)
   「感性語を用いた図書の検索」  講義写真

07/05 西尾久美子(京都女子大学現代社会学部准教授・経営学)
   「日本の伝統文化産業における「伝統と革新」―京都花街の事例」参考文献 講義写真

07/12 試験


▼「前衛と伝統I」秋学期講義日程 *敬称略
09/27 磯達雄(建築評論家)
   「未来都市をつくろうとした建築家たち―丹下健三とメタボリズム」参考文献

10/04 大串尚代(コーディネーター・英米文学)
   「少女マンガとアメリカ」参考文献

10/11 景山佳代子(社会学者)
   「見ている世界の、見えていない連関『性・メディア・風俗――週刊誌『アサヒ芸能』からみる風俗としての性』(ハーベスト社、2010)の議論より」

10/18 小泉明郎(ビデオアーティスト)
   「美術制作の現場から」

10/25 高橋宣也(慶應義塾大学文学部准教授・英米文学)
   「ワーグナーのオペラ演出の変遷」参考文献

11/01 休講

11/08 YOUCHAN(伊藤優子)(イラストレーター)
   「前衛と伝統とイラストレーション」参考文献

11/15 川畑秀明(慶応義塾大学文学部准教授・心理学)
   「印象の構造とアートの可能性ー脳からわかるアート」

11/22 三田祭

11/29 朝吹亮二(シュールレアリスム詩人、慶応義塾大学法学部教授)
   「詩と前衛」

12/06 レベッカ・スーター(シドニー大学准教授・近現代日本文学)
   「天草四郎の美少年化」 講義写真

12/13 池田幸弘(慶応義塾大学経済学部教授)
   「偉人伝の系譜とその崩壊」参考文献 講義写真

12/20 feebee(アーティスト)
   「美人画とイラストレーション」参考文献 講義写真

12/27 休講

01/10 福澤先生誕生記念日

01/17 高野史緒(作家)参考文献 講義写真
   「小説と無意識 書く者の場所から見えるもの、見えないもの 」

01/24 試験 2 限・528番教室