2010年4月6日火曜日

2010年度「死と再生Ⅰ/Ⅱ」

「死と再生」

▼コーディネーター
宇沢美子(教授・米文学)
岡原正幸(教授・社会学)
巽 孝之(教授・米文学)
宮坂敬造(教授・人間科学)
大串尚代(准教授・米文学)
奈良雅俊(准教授・倫理学)

▼講義要綱
生きとし生けるものは必ずや死を迎える宿命にあり、またその死ゆえに人は再生の夢を様々な形で紡いできた。死生観は各文化の核をなし、「死と再生」は、文学や芸術あるいは儀礼や宗教などの領域にとっては、まさに必須かつ伝統的な主題でありつづけている。昨今は、いろいろな文化的・社会的事象に対しても、たとえば地域経済の死やその再生といった文脈で、それは問題とされている。医科学の分野では、再生医療技術の進歩と裏腹に、死と(再)生の概念は従来にないゆらぎを孕む。まわりを見渡せば、死の表象やイメージがあふれているようでありながら、かえっていま死を見据えることが難しくなっているようにも思える。そこで、本講座では、コーディネーターの他、文学、芸術、生物学、医療、祭礼、経済、政治などの多様な分野の方々を講師にお招きするオムニバス形式の授業を通じて、「死と再生」を多角的多面的に考えてみたい。



▼「死と再生I」講義日程 *敬称略
04/13 コーディネーター全員によるガイダンス
04/20 奈良雅俊(コーディネーター・医療倫理)参考文献
   「生命倫理学における死と再生」
04/27 DVD鑑賞・ディスカッション
05/11 赤江雄一(慶應義塾大学文学部助教・英米文学)
   「中世ヨーロッパの終末思想における世界の死と再生」参考文献
05/18 井上櫻子(慶應義塾大学文学部助教・仏文学)
   「18世紀フランスにおける死と再生」参考文献
05/25 山口徹 (慶應義塾大学文学部教授・民族考古学)
   「神々とのせめぎあい~ポリネシア島山與世界のマナとマラエ~」参考文献
06/01 休講
06/08  ペーター・ゲスナー(舞台演出家、調布市せんがわ劇場舞台監督)
   「三島由紀夫の芝居“わが友ヒットラー”」参考文献
06/15 小森健太郎(作家・近畿大学講師)
   「カリール・ジブラン、ミハイル・ナイーミの「死と再生」参考文献
06/22 長谷部史彦(慶應義塾大学文学部教授・東洋史学)
   「中近世アラブ・ムスリムの死生観とワクフ」
06/29 平田栄一朗(慶應義塾大学文学部准教授・独文学)
   「悲劇における死と非再生について」参考文献
07/06 梅崎薫(埼玉県立大学・社会福祉)
   「高齢者虐待と家族
   ―家族が陥る虐待関係、虐待を“見守る”地域社会と専門職」参考文献   
07/13 休講

▼ 「死と再生II」講義日程 *敬称略
9/28 湯本豪一(川崎市市民ミュージアム学芸室長)
   「予言獣とそのお告げ―死を免れるための妙法とは・・・」参考文献
10/5 江原吉博(慶應義塾大学薬学部教授)
   「死の場面のリアリティ」
10/12 小林エリカ(メディアクリエイタ―・作家)
   「一年前の今日と、六五年前の今日」参考文献
10/19 加賀乙彦(作家・精神科医)
   「長い老年と死をどう迎えるか」参考文献
10/26 巽孝之(コーディネーター・英米文学)
   「リンカーン大統領の死と再生」参考文献
11/2 早慶戦
11/9 岡原正幸(コーディネーター・社会学) 
   「死と再生について語るということ」参考文献
11/16 宇沢美子(コーディネーター・英米文学)
   「屍体の森へ2
   -アメリカの死者写真(postmortem photography)は何を語るか?」参考文献
11/30 近藤好枝(慶應義塾大学看護医療学部)
   「小さな命への眼差し-超低出生体重児のケア」
12/7 岡村淳(映像作家)
   「ブラジルの心霊画家にみる<死と再生>」
12/14 半田真理子(財団法人都市緑化技術開発機構・都市緑化技術研究所長)
   「都市の再生」参考文献
12/21 管啓次郎(明治大学教授・比較詩学研究)
   「ヒトと動物の死と再生」参考文献
1/11 宮内勝典(作家)
   「死者を再生させる―マハトマ・ガンジーを巡って」参考文献