2005年4月1日金曜日

『幸福の逆説』刊行

2001年度総合講座の成果を収めた論集『幸福の逆説』が慶應義塾大学出版会より刊行されました。


幸福の逆説
:巽孝之・宮坂敬造・坂上貴之・岡田光弘・坂本光
判型:A5判
頁数:408
出版慶應義塾大学出版会
刊行:2005/04
定価:3570円(本体3400円+税)
慶應義塾大学出版会による本書詳細

いま「幸福」はどこへ行ったか?
かつて絶対的善とみなされた「幸福の探求」は、グローバリズムに覆われた多文化世界において、その姿勢の根本的転換を迫られている。幸福にひそむ様々な逆説を照射する「幸福論の探求」。

【目次】
序—逆説の青い鳥(巽孝之)
第一部 幸福への哲学的接近および現代思想・社会哲学的考察
1:ああ言えば幸福(岡田光弘)
2:動物的幸福をめぐる断章(東浩紀)
3:新たなars eroticaの発明へ(熊倉敬聡)
第二部 心理学的接近—ヒトと動物の幸福の共通の根と逆説を探る
4:快感の逆説—比較神経科学から見た快感の諸相(渡辺茂)
5:反応増加の幸福と害毒—内発的動機づけ論争と反応遮断化理論(坂上貴之)
6:双子から見た幸福(安藤寿康)
第三部 文学世界を彩る逆説の幸福—西欧から日本へ
7:報復の逆説—アメリカ文学と大統領(巽孝之)
8:秘密の幸福—英国ゴシック小説における秘密の働き(坂本光)
9:「満ち足りた不幸せ」とは何か—幸福を主題とした、オーストラリア現代文学、そし  て敗北の文化をめぐる考察 (ヴァルター・フォーグル)
10:道化のまなざし—演劇からみる幸福の逆説(井田邦明)
11:オトメチック・ルネッサンス—少女マンガのヒロインたちのその後(大串尚代)
12:山のあなた(小林エリカ)
第四部 現代の諸相にみる幸福の逆説—幸福の周縁
13:戦争、戦争ゲーム、幸不幸の第二次学習(デュートロ・ラーニング)—「主観的幸福
  感」?の世界(宮坂敬造)
14:メディアは幸せか(武山康煕)
15:摂食障害から見た幸福とは?(長谷川清美)
16:ある性別越境者(トランスジェンダー)の逆説的幸福論(三橋順子)
17:おいしいおちゃでみんなしあわせ?(熊崎俊太郎)
*表紙(小林エリカ)