2019年3月24日日曜日

アナログ・アナクロ・アナロジー I・II

曜日・時限: 火曜日・2

単位: 2(半期)

キャンパス:  三田キャンパス

担当教員:
文学部教授  巽孝之
文学部教授  岡原正幸
文学部教授  川畑秀明
文学部教授  宇沢美子 
文学部准教授  佐川徹
文学部教授  粂川麻里生
文学部   加藤有佳織

設置課程・学部:  学士 / 文学部

テキスト・参考書: ウェブサイトで指示する。

内容:
現代人の生活や知的活動にとって、「デジタル」の技術や思考法による影響は非常に大きい。コンピューターをはじめとして、「×」「1か0」という切り方で分析したり思考(演算)していくことによって、極めて強力な文明生活の方法が確立された。しかし、「デジタル」は人間にとって可能な思考法の全てではない。「デジタル」は主語と述語の関係が「×」かで区別されていく世界であって、「なんとなく」「こんな感じ」で進めていく話はできない。「メタファー」による話もできない。すなわち、「類似」や「類推」にもとづいて行っていく知的営為は不可能なのである。しかし、むしろこの「デジタル思考」からこぼれ落ちるものこそ、人間あるいは生命にとってより根本的な「思考」である。本講座では、そういったものを「アナログ」「アナクロ」「アナロジー」の3語によって象徴し、「コンピューターにできない世界(あるいは逆に、コンピューターによるシミュレーションによってのみ把握可能な世界)」「現代文明の原理のさらに奥底にある世界」「なんとなくの類推や模倣によって学びが深まる世界」で仕事をしている方々を講師に招くことで、文学部にふさわしい学びを実現したいと考える。講師の専門ジャンルとしては、人類学、教育学、気象学、医学・生理学、自然観察、伝統芸能、芸術、スポーツ、調理、地域コミュニティーなどを想定している。