2012年4月2日月曜日

2012年度「前衛と伝統 I」

▼2012年度 「前衛と伝統 I・II」 

▼コーディネーター
宇沢美子(教授:米文学)
岡原正幸(教授:社会学)
巽孝之(教授:米文学)
奈良雅俊(教授:倫理学)
大串尚代(准教授:米文学) 

▼講義要綱
かつてモダニズム詩人 T・ S・エリオットは詩論「伝統と個人の才能」( 1919年)のなかで、それまで伝統と思われていた概念と個人の才能と思われていた概念を徹底的に問い直すことで、構造主義以後へ至る 20世紀の前衛的芸術理論全般をあらかじめ輪郭づけた。そこでは、何よりも伝統の概念を刷新し、ロマン派的な天才信仰を転覆することで芸術の前衛を成立させるという逆説的な戦略が画策されていたが、それから一世紀近くを経てポストモダニズムをくぐりぬけた今日では、すでに前衛そのものが立派な伝統と化してしまった。 21世紀の文化を考えるヒントは、まさにこの一点に潜むだろう。  以上の問題をさらに探究するのに絶好の講師陣を、コーディネータ一同は今日、文学や文化の諸領域で活躍する面々から選び出し、いま前衛と伝統を最も鋭利に再検討する手がかりを模索するとともに、広く受講者全般が学問研究を展開するさいに最も刺激的なディスカッションを行いたいと計画している。具体的なスケジュールは未定ですが、以下の方々が招聘されます。

▼「前衛と伝統」春学期講義日程

4 月10 日 ガイダンス・イントロダクション

4 月17 日 コーディネイター・奈良雅俊先生 (文学部教授・倫理学) 
   「哲学における前衛と伝統」参考文献 講義写真

4 月24 日 中村茜先生 (演劇プロデューサー) 
   「現代の舞台芸術とプロデューサーの活動」講義写真

5 月8 日 新城カズマ先生 (批評家) 
   「トレーン、ウクバール、竜馬と信長」参考文献 講義写真

5 月15 日 望月六郎先生 (映画監督) 
   「50にして劇団を始める。50にして迷いっぱなし」参考文献 講義写真

5 月22 日 霜田誠二先生 (パフォーマンス・アーティスト) 
   「現代パフォーマンス・アートとは」参考文献 講義写真

5 月29 日 コーディネーター・大串尚代先生(文学部教授・英米文学)
   「アメリカ文学と少女マンガ」参考文献 講義写真

6 月5 日  田中荘子先生(オキュパイド・ジャパン・コレクター、 エディンバラ大学リサーチ・アソシエート)
   「オキュパイド・ジャパンとは?:コレクターの視点から」講義写真

6 月12 日 関根謙先生 (文学部教授・中国文学)
   「『南京事件』と文学」講義写真

6 月19 日 岡田あおい先生(文学部教授・社会学)
   「徳川後期農民社会の婚姻と家システム」参考文献 講義写真

6 月26 日 ni_ka 先生(AR 詩人)
   「ARt poemの誕生」参考文献 講義写真

7 月3 日 鴻巣友季子先生 (翻訳家、エッセイスト)
   「翻訳における熟成――ワイン文学論」参考文献 講義写真

7 月10 日 前期総括

▼「前衛と伝統」秋学期講義日程

9月25日 粟谷明生先生(喜多流能楽師)、金子あい先生(女優)
   「古典の魅力を語ります」参考文献 講義写真

10月2日 長谷川新先生(内閣官房地域活性化総合事務局次長)
   「地域活性化のためのブレークスルー(霞ヶ関の現場から)」参考文献 講義写真

10月9日 コーディネイター・岡原正幸先生
   「社会学における前衛と伝統」講義写真

10月16日 大和田俊之先生(法学部准教授)
   「ハリー・スミスとジョン・ケージ――前衛と実験」参考文献 講義写真

10月23日 藤波伸嘉先生(東京大学特任教授)
   「オスマン、イスラーム、近代――作られた伝統と前衛」参考文献 講義写真

10月30日 休講

11月6日 杉浦章介先生(経済学部教授)
   「モン巴里の伝説:限りなく宝塚色に」参考文献 講義写真

11月13日 コーディネイター・宇沢美子先生
   「黄色い「黒子」から見る「前衛と伝統」――アジアとアメリカ文学の交差」講義写真

11月20日 休講

11月27日 コーディネイター・巽孝之先生 
   「フィリップ・K・ディックに見る前衛と伝統――高度資本主義下のシュール・レアリスム」参考文献 講義写真

12月4日 井奥成彦先生(文学部教授) 
「あんパン誕生物語――食文化市場の前衛と伝統」講義写真

12月11日 松田正隆先生(劇作家、マレビトの会代表)
「最近のマレビトの会の作品から」講義写真

12月18日 橋本一子先生(ジャズ・ピアニスト)
「特別講演会&リサイタル」講義写真

1月8日 後期総括

1月22日 補講日のため授業なし

1月29日 秋学期末試験