2009年4月7日火曜日

2009年度「死と再生Ⅰ/Ⅱ」

「死と再生」

▼コーディネーター
宮坂敬造(教授・人間科学)
巽孝之 (教授・米文学)Web
岡原正幸(教授・社会学)
大串尚代(准教授・米文学)
奈良雅俊(准教授・倫理学)
宇沢美子(教授・米文学)


▼講義要綱
生きとし生けるものは、必ずや死を迎える宿命にある。まただからこそ、人は生を全うしたいと願い、再生の夢を様々な形で紡ぐのだろう。死生観は各文化の中核をなし、文学や芸術、儀礼や宗教などの諸領域にとっては、「死と再生」は必須かつ伝統的な主題であり続けている。多岐にわたる文化的、社会的事象に対して、たとえば地域経済の死やその再生といった文脈で、それは問題とされている。医科学の分野では、再生医療技術の進歩と裏腹に、死と(再)生の概念は従来にないゆらぎを孕む。まわりを見渡せば、死の表象やイメージがあふれているようでありながら、かえって今、死を見据えることは難しくなっているようでもある。本講座では、コーディネーターのほか、文学、芸術、医療、倫理、歴史、経済、政治、宗教、などの、多様な分野の方々を講師にお招きするオムニバス形式の授業を通じて、「死と再生」を多角的多面的に考察する。


▼「死と再生Ⅰ」講義日程 *敬称略
04/14 コーディネーター全員によるガイダンス
04/21 宇沢美子(コーディネーター・米文学)
「屍体の森へーー19世紀アメリカ死後写真の世界」
04/28 奈良雅俊(コーディネーター・医療倫理)
「生命倫理の系譜学ーー生命倫理から見る死と再生」
05/12 和栗由起夫(舞踏家・好善社主催)
「舞踏における死と再生」推薦図書
05/19 アンドリィ・ナコルチェフスキー(慶應義塾大学文学部教授・宗教史)
「ロシア宇宙主義の草分け
ーーニコライ・フョードロフ(1828-1903)の思想における不老不死の問題」
05/26 安藤広道( 慶應義塾大学文学部教授・考古学)
「先史時代における死と他界観を考える」推薦図書
06/09 坂本光 (慶應義塾大学文学部准教授・英文学)
「不死と再生ーー恐怖物語における不死の呪いとその効能」
06/16 佐藤光重(関東学院大学教授・米文学)
「『ウォールデン』における回心」推薦図書
06/23 佐藤嗣麻子(映画監督・脚本家、『K-20/怪盗二十面相・伝』)
「乱歩から『 K-20』までーー死と再生の映像」推薦図書
06/30 小池寿子(国学院大学教授・西欧美術史、死の舞踏研究)
「死と運命ーー中世後期とルネサンスの美術に見る死生観」推薦図書
07/07 有末賢 (慶應義塾大学法学部・社会学)
「自殺と自死遺族——<死者>との和解を求めてー」推薦図書
07/14 原敬 (利根中央病院医師、外科・緩和ケア)
「臨床医からみた死と再生」

▼「死と再生Ⅱ」講義日程 *敬称略
09/29 松田隆美(慶應義塾大学文学部教授・英文学)
「ヨーロッパ中世における死後世界のヴィジョン」
10/06 松居友(NPOミンダナオ子ども図書館理事)
「死と再生」推薦図書
10/13 佐藤孝雄(慶應義塾大学文学部・民族考古学)
「アイヌの死生観」推薦図書
10/20 Jay Hirabayashi (舞踏家)&宮坂敬造(コーディネーター、人類学)
「死と再生のテーマを踊る
ーーポスト舞踏ダンス<ヴァンクーヴァーのココロ・ダンス・シアター>の試み」
10/27 大串尚代(コーディネーター)
「少女マンガにおける愛と死」推薦図書
11/10 安藤礼二(文芸評論家・多摩美術大学芸術人類学研究所)
「日本における死者の書ーー泉鏡花、柳田國男、折口信夫」推薦図書
11/17 白井厚(慶應義塾大学経済学部名誉教授・社会思想史)
「戦没者追悼の諸問題ーー『慶応義塾関係戦没者名簿』 を中心に」
12/01 八代嘉美(慶應義塾大学・再生医療)
「『黄泉の国』からの帰り道ーー再生医科学研究のいま」
12/08 白崎容子(慶應義塾大学文学部教授・イタリア学・オペラ学)
「イタリアオペラにおける「死」の場面」
12/15 岩崎眞美子(フリーライター)
「旧暦と神話から考える「死と再生」」 推薦図書
01/12 山内志朗(慶應義塾大学文学部教授・倫理学)
「即身仏と土中入定の思想」