2003年6月24日火曜日

2003/06/24 坂本光 参考文献

6/24 坂本光(コーディネーター)
「脅威と異物—フィクションのなかの敵役について」

<一次資料>
□John William Polidori, The Vampyre. 1819.
□James Malcolm Rymer, Varney the Vampyre, or the Feast of Blood. 1847.
□Joseph Sheridan Le Fanu, Carmilla. 1872. (『吸血鬼カミーラ』 創元推理文庫, 1991)
□Bram Stoker, Dracula. 1897. (『ドラキュラ』 水声社, 2000)
□Ann Rice, Interview with the Vampire. 1976. (『夜明けのヴァンパイア』ハヤカワ文庫, 1987)

□Dracula. 『魔人ドラキュラ』(1931). 監督Tod Browning, 出演Bela Lugosi, Edward Van Sloan.
□Salem's Lot: The Movie. 『死霊伝説』(1979). 監督Tobe Hooper. 出演David Soul, James Mason.
□The Lost Boys. 『ロストボーイ』(1987). 監督Joel Schumacher. 出演 Jason Patric, Corey Haim, Dianne Wiest.
□Near Dark. 『ニア・ダーク/月夜の出来事』(1987). 監督Kathryn Bigelow. 出演Adrian Pasdar, Jenny Wright, Lance Henriksen.
□Bram Stoker's Dracula. 『ドラキュラ』 (1992). 監督Francis Ford Coppola. 出演Gary Oldman, Winnona Rhyder.
□Interview with the Vampire. 『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(1994). 監督Neil Jordan. 出演Tom Cruise, Brad Pit.


<二次資料>
□丹治愛 『ドラキュラの世紀末−ヴィクトリア朝外国恐怖症の文化研究』 東京大学出版会, 1997

現在に至る吸血鬼像の原型となったのは Bram Stoker 作のDraculaだが、その成立の背景にどのような政治的・経済的・文化的状況があったのかを解き明かす好著。いまだに持てはやされる貴族的な吸血鬼というイメージの中に、当時の社会がどのような恐怖を投影し、いかなる「敵」の姿を想定していたかを丁寧に解説している。読み物としても非常に面白い。

□栗原成郎 『吸血鬼伝説』 河出文庫 1995

現在の吸血鬼像の直接の源流とも言えるスラブにおける吸血鬼信仰、吸血鬼説話を、夢魔や人狼の説話とも結びつけながら直接的資料にもとづいて解明したもの。

□Joan Gordon and Veronica Hollinger, ed., Blood Read: The Vampire as Metaphor in Contemporary Culture. (Pennsylvania: U of Pennsylvania P, 1997)

Dracula以降、 Ann Rice の Vampire Chronicles など現在に至るまで、吸血鬼というポピュラーな類型がいかなる変容を遂げてきたかを多角的に論じた論文集。「人類の敵」「悪の権化」であった吸血鬼がそうした姿を必然的に変容させて行く様相とその要因が、多様な論者によって取り上げられている。

□David Punter, The Literature of Terror: A History of Gothic Fictions from 1765 to the Present Day, 2 vols. (London: Longman, 1996)

ゴシック文学全般およびその周辺を網羅的かつ通史的に扱った概説書。この領域に興味を持ったならまず最初に目を通すべき文献。二巻本で、第一巻が十八世紀からエドワード朝(二十世紀初頭)まで。

□風間賢二 『ホラー小説大全』 角川ホラー文庫, 2002

Punterのものよりさらに間口の広い恐怖小説全般の概説書。B級と称される作品やごく近年の作家まで目配り広く論じている。これは角川選書から出ていた版に増補したもの。

□大塚英志 『定本 物語消費論』 角川文庫, 2001

講義で簡単に触れた(歌舞伎・浄瑠璃等で言う)「世界」、(アニメやゲームで言う)「世界観」について手早く知りたければ、この本の冒頭を読むと良い。最初に出版されたのは1989年。

情の技法 2003 Keio University